歯周病の治療について

歯周病の症状

  • ●歯を磨くと血が出る
  • ●お口の中がネバネバする
  • ●口臭がつよい
  • ●歯がグラグラする
  • ●硬いものが噛みづらい
  • ●歯ぐきがはれている

これらが歯周病の症状です。歯周病は、ほとんどの場合、痛みがなく知らない間に進行しますので、ご自身で気付かれた時には、かなり進行していることが多いです。また、歯周病は「歯石を取り除いたら治る」という簡単なものではありませんので、患者様と私達が協力して、継続的に管理していく事が重要になります。大変かもしれませんが、一緒に「お口の中を健康な状態に戻すこと」を目標に努力していきましょう!!

歯を支えている組織
(歯周組織)

歯は「歯槽骨」といわれる骨と「歯肉(歯ぐき)」、「セメント質」、「歯根膜」で支えられています。

歯肉(歯ぐき)

神経や血管が通っている歯根膜や歯槽骨を、細菌や衝撃、異物の浸入から守っています。

セメント質

歯の根の表面を覆っているもので、歯と歯槽骨を歯根膜によって固定しています。

歯根膜

歯と歯槽骨を繋ぐ役割をしています。
物を噛んだ時、クッションの役割をして、歯にかかる衝撃をやわらげています。

歯槽骨

歯を支えている重要な骨で、歯周病などで大幅に歯槽骨が溶けると歯を支えられなくなります。

歯周病の進み方

健康な状態

歯ぐきは引き締まって、薄いピンク色。
歯と歯ぐきの境目には1~2mm程度の隙間がある。

歯肉炎

歯の周りにプラークが付いたままの状態が長く続くと、歯ぐきに炎症が起こり赤く腫れる。歯磨きで出血してくる。

歯周炎(軽度)

歯ぐきの炎症がひどくなり、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)が3~5mmと深くなる。
歯を支えている歯槽骨が溶け始める。

歯周炎(中度)

歯周ポケットから膿が出て口臭がひどくなる。
歯槽骨も半分ぐらい溶けて歯がぐらぐらしてくる。
歯周ポケットの深さは5~7mm。

歯周炎(重度)

歯槽骨の半分以上溶けてしまい、歯はぐらぐらに。
歯周ポケットの深さ7mm以上。

治療の流れ

歯周検査①

まず、歯と歯ぐきの境目の溝(歯周ポケット)の深さを測ります。
この時に、出血がないか?歯が揺れていないか?もチェックします。

  • ★歯周ポケットの正常値は2~3mmですが、大切な事は出血があるかどうかと、汚れがあるかどうかです。数値だけ良くても歯ぐきが炎症を起こしている場合があります。

スケーリング

「上の歯」と「下の歯」の2回に分けて歯垢(プラーク)や歯石を除去します。 (上下2回に分ける事は、厚生労働省より定められております)

  • ※超音波の振動を利用した器械でクリーニングを行います。
  • ★歯みがき指導(ポイントをお伝えします)も行います。

歯周検査②

スケーリングから1週間後に再検査をします。ここでは、ブラッシングによって歯ぐきの炎症がおさまったかどうかや、歯ぐきの中の細かい歯石の有無を確認します。
1本の歯につき、6箇所で測定する精密な検査となります。

歯周ポケットを測定イメージ
  • ★この精密検査で、深いポケットがあり、出血もある場合は、次のステップへ治療を進めていくことになります。検査結果が良好だった場合は、メインテナンスへ移ります。

SRP

歯周ポケットの深い所に付いた細かい歯石や汚れを取り除きます。お口の中を6つのブロックに分けて、1ブロック1回の治療(計6回)で丁寧にお掃除させていただきます。

  • ★治療中に痛みを感じないように麻酔をします。ほとんどの場合は塗り薬による表面麻酔ですが、それでも痛い場合は麻酔の注射をします。また、一時的にしみたり、歯ぐきが腫れる場合があります。普段から知覚過敏でお悩みの方はスタッフにご相談下さい。感染予防の為、消毒用のうがい薬をご自宅でも使用しましょう。
  • ★歯ぐきの掃除をした後、知覚過敏の症状がでたり、歯ぐきが引き締まる事により、歯肉退縮することがあります。
歯周ポケットのお掃除イメージ

歯周検査③

SRPから2週間後に再検査をします。この検査では、歯ぐきの状態がどのくらい良くなったかを確認します。

歯周外科治療

検査結果が思わしくない場合は、歯周外科治療に進む場合があります。

  • ※適応症があり、すべての患者様が歯周外科治療に移行するわけではありません。

歯周検査④

歯周外科治療から約1~2ヶ月後に再検査をします。(治療の状態によって時期を決定します)この検査では、歯ぐきの状態がどのくらい良くなったかを最終確認します。「かぶせもの」が必要な患者様は、ここで初めて「かぶせもの」をつくる治療に進む事ができます。

  • ★これ以前に「かぶせもの」を作ってしまうと、「かぶせもの」と歯ぐきの境目の位置を適切に知る事ができず、出来上がったあとに、見た目の悪いものとなってしまったり、汚れが中にたまり炎症を起こす原因となります。したがって、当院では歯ぐきが一番良い状態で「かぶせもの」をつくる治療に移るのです。

SPT 歯周病の定期的な管理

歯周病は生活習慣病のため、歯科医師・歯科衛生士のサポートケアが必要になる場合あります。歯周病の治癒経過が良好でも再発の可能性が高い患者様は1~3ヶ月の短い間隔で、定期的なCheckをしましょう。

メインテナンス

すべての治療が終了した時が「新たなスタート」です!!歯周病の再発を防ぐために、正しいブラッシングと定期的なメインテナンスが不可欠です。

  • ★ブラッシングに自信のない方は、期間を短くして定期検診しましょう。

歯を支える骨・組織を
再生する治療について

成人の8割が罹っている歯周病。
歯周病は自覚症状がほとんどありません。そのため、気が付いた時には歯を支えている骨が溶け、歯がグラグラになり抜かなければならないことも少なくありません。
(歯を失う約4割が歯周病によるものです。)

歯周病の治療を行うことによって、進行は止められますが、一度溶けてしまった骨(歯槽骨)は残念ながら自然には回復しません。骨(歯槽骨)をはじめとする歯周組織を回復させるには、歯周組織再生療法(手術)を行う必要があります。これには、
・自家骨(自分の骨)を使用する方法
・人工骨を使用する方法
・トラフェルミン(リグロス)やブタ歯胚組織使用歯周組織再生用材料(エムドゲイン)のような歯周組織の再生を誘導する薬剤を使用する方法

などがあります。

これらは状態によって、単独で使用したり、組み合わせて使用したりします。
多くのものは保険外診療になります。

この方法の中で「リグロス(トラフェルミン)」を単独で用いた場合、一定の条件を満たした医療機関であれば健康保険も適応されます。
(当院は、健康保険適応の医療機関です。)

健康保険3割負担の場合:1歯あたり、約10,000円

歯を失う原因グラフ

出典:平成17年
(財)8020推進財団調査より

健康な歯周組織イメージ

健康な歯周組織

進行が止まり安定した歯周組織イメージ

進行が止まり安定した歯周組織

「リグロス(トラフェルミン)」による歯周組織再生の仕組み

リグロス(トラフェルミン)の主成分「bFGF」は傷を修復させる作用を引き出す力が強く、床ずれの治療にも使われています。歯周病の治療では、歯周病で溶けてしまった部分の周囲の細胞に対して、増殖を促したり、新しい血管を作るように働きかけます。増殖した細胞は、歯周組織(歯槽骨、セメント質、歯根膜)になる細胞へと分化し、歯槽骨、セメント質及び歯根膜を作ります。新たに作られたこれらの細胞は、互いに結びつくことによって、歯周組織が再生されます。

「トラフェルミン」による歯周組織再生の仕組み01 「トラフェルミン」による歯周組織再生の仕組み02 「トラフェルミン」による歯周組織再生の仕組み03 「トラフェルミン」による歯周組織再生の仕組み04 「トラフェルミン」による歯周組織再生の仕組み05 「トラフェルミン」による歯周組織再生の仕組み06

歯槽骨の溶けた状態により、最適な方法がどれなのか異なってきます。
どの方法が最適なのか、しっかりと検査をして、カウンセリングいたします。まずはご相談ください。